今年のメジャーリーグはこの3チームが熱い。ニューヨーク・ヤンキース、ロサンゼルス・ドジャース、そしてヒューストン・アストロズ―。MLBの2018年シーズンが現地29日(日本時間30日)に「フロリダ・マーリンズ対シカゴ・カブス」の一戦を皮切りに、全15試合が一斉に同日開幕する。
昨シーズンは、第113回目となるワールドシリーズがヒューストン・アストロズとロサンゼルス・ドジャースの顔合わせで行われた。そして、第7戦までもつれ込む大接戦となった同シリーズは、最終戦でアストロズが7-1でドジャースを破って球団創設56年目にして初の世界一に輝いた。
それから約5ヶ月のときを経て、あっという間に2018年シーズンが始まろうとしている。全米の野球ファンはもちろんのこと、多数メジャーリーガーを輩出している日本のファン、そしてラスベガスだけでなく世界中のオンラインブックメーカーを開いているスポーツベッターたちがこの時をクビを長くして待っていた。
今年の世界一に輝くのはどのチームなのか?
これを尋ねるのはスポーツブック(ブックメーカー)が一番良い。なにせ正確な分析の元で適切なオッズをつけないことには下手をすれば倒産してしまうからだ。だから、きちんとしたブックメーカーのオッズを見ることでMLB2018の行方を出来る限り正しく予想できる。
世界を代表する老舗ブックメーカーの一つである「ウィリアムヒル」がワールドシリーズ優勝オッズを発表。そのオッズによると、何と3チームが横並びでトップになる結果を示した。それが、ヤンキース、ドジャース、そしてアストロズだ。いずれも7.00倍のオッズがついた。
今シーズンの主役に躍り出そうなのが、ヤンキースだ。投手陣は、オープン戦4試合で0勝3敗防御率7.24の数字は芳しくなかったが、ブーン監督からの信頼の厚い田中将大と昨季14勝を挙げたルイス・セベリーノの2本柱がチームを支える。若干の投手力不足を指摘するメディアもいるが、その不安を打ち消すかのごとく破壊力抜群のヤンキース打線に最も注目が集まるだろう。
昨シーズン52本のホームランをかっ飛ばしたアーロン・ジャッジに加えて、そのジャッジを超える59本塁打を放って昨季ナ・リーグMVPを獲得したジャンカルロ・スタントンがチームに加わった。この二人の大砲だけでも洒落にならない破壊力を感じるが、さらには昨シーズン33本塁打のゲイリー・サンチェスと同25本塁打のディディ・グレゴリアスと長距離砲がズラリ。対戦相手のチームのピッチャーは心穏やかではないだろう。
ヤンキースの爆発的な打線は間違いなく世界一への原動力となっていくだろう。
このヤンキースに待ったをかけたいのが、昨シーズンのワールドシリーズでしのぎを削ったドジャースとアストロズだ。
ドジャースはわれ等が前田健太、メジャー屈指の左腕であるクレイトン・カーショーら先発陣が磐石だ。カーショーはオープン戦21イニング無失点で8年連続で開幕投手を務めることになる。絶対的なチームのエースに加えて2年連続で2桁勝利を上げている前田が、さらにチームを後押し。ダルビッシュ有がシカゴ・カブスに移籍したこともあって、この両輪がフル回転することが30年遠ざかっている世界一へとたどり着くための鍵となる。
アストロズは初の世界一を経験し、チームにその勢いがある。何といっても昨季のアメリカンリーグMVPのホセ・アルトゥーべと5年総額1億5000万ドルの契約を結ぶことに成功。4年連続で200安打を放つメジャー屈指の好打者をチームに残すことが出来たのは大きい。165センチと小柄な体から今季は何本の安打、そして一発が飛び出すであろうか。大ベテランのカルロス・ベルトランが引退したぐらいで、昨シーズン両リーグトップの896得点(1試合平均=5.5得点)を叩き出した打線は基本的に変わらないのも大きい。2連覇への戦力は十分整っている。
日本人選手がいるチームに着目すると、「ウィリアムヒル」発表の優勝オッズでダルビッシュが移籍したカブスが6番手の10.00倍、二刀流の大谷翔平がFA移籍て注目が集まるロサンゼルス・エンゼルスと平野佳寿がセットアッパーを務めるアリゾナ・ダイアモンドバックスが8番手タイの26.00倍と続く。
また、イチローが復帰したシアトル・マリナーズは16番手の41.00倍、サブマリン・牧田和久が西武から移籍したサンディエゴ・パドレスが28番手の201.00倍、そして田沢純一が所属するマイアミ・マーリンズは最下位となる251.00倍の優勝オッズがついている。