いよいよ男子ゴルフのメジャー第1戦「マスターズ2018」がアメリカはジョージア州にあるオーガスタナショナルゴルフクラブで現地5日から4日間の日程で行われる。オーガスタとともに毎回思い出されるのが世界中のゴルフファンにも愛されている「Augusta」（オーガスタ）だ。このメロディを聴くといよいよマスターズが始まるのだとワクワクする気分になる。

今年は誰がサンデーバックナイン（日曜日の後半9ホール）を笑顔でラウンドするのか？マスターズが開幕するずいぶんと前からこの話題で持ちきりになる。そして、今回その話題の中心となっているのが3年ぶりの出場となるタイガー・ウッズだ。メジャー通算14勝で歴代2位、これまで2度のグランドスラムを達成している誰もが知るスター選手だ。

しかし、2005年のマスターズを最後にグリーンジャケットに袖を通すことはなかった。ウッズは2008年の全米オープンの勝利を最後に10年もの間メジャー勝利から遠ざかっているのだ。この間、ケガなどの体調面での不調に加えて不倫問題、さらには薬物中毒疑惑などもかけられるなどゴルフ以外のことでも世間を大きく騒がせた。そして世界ランキングは1位から2017年には898位まで転げ落ちた。「タイガー・ウッズは終わった」と世間はそう見ていた。

それでも2018年にウッズは戻ってきた。自身がホストを務めるヒーローワールドチャレンジで9位になると、3月のパルスパー選手権では2位、そしてマスターズ直前となるアーノルド・パーマー招待では5位と大きく躍進してみせた。タイガーの強さが戻ってきた―。多くのファンが、そして世界中のスポーツベッターが再び彼の復活優勝に深くコミットしてきた。

イギリスの老舗オンラインカジノのブックメーカー「ウィリアムヒル」がマスターズ2018の優勝オッズを発表したが、ウッズへの期待の高さをうかがわせるものとなった。ウッズの優勝オッズは3番手タイの13.00倍。世界ランクを103位まで戻してきたとはいえ、メジャー大会で通常”3桁ランク”がこのような評価がなされることはないが、やはりウッズに対する信頼が大きく回復し、通算15回目のメジャー制覇がこのオーガスタの地であると多くが信じているにほかならない。

優勝候補の筆頭は、ジョーダン・スピースとローリー・マキロイでともに11.00倍のオッズとなっている。2番手にはPGA公式HPが発表している「パワーランキング」（優勝予想）で1位に推されているジャスティン・トーマスと、世界ランク1位のダスティン・ジョンソンで12.00倍、3番手にウッズとジャスティン・ローズが13.00倍となっている。

そして、日本人として初のメジャータイトル獲得を狙う世界ランク6位の松山英樹は14番手となる34.00倍のオッズとなった。その他の日本人選手は、小平智が251.00倍、宮里優作と池田勇太がそれぞれ301.00倍となっている。

松山は「パワーランキング」でも18位と思ったよりも低調となっている。故障した左手首と親指への不安がその評価に反映していると見られ、この3年のマスターズでの成績は2015年が5位、2016年が7位タイ、2017年が11位タイとなっている。今シーズンの松山はウェストマネジメントオープンで故障のため2日目途中で棄権し、約1ヶ月の休養をとった。そして復帰戦となったアーノルドパーマー招待では49位となったが、WGCデルマッチプレーは予選で敗退している。

松山について気になるオッズが「ウィリアムヒル」から発表された。マスターズ2018の予選落ちオッズによると、松山には3.75倍のオッズが付いているのだ。優勝候補のマキロイやスピースらには6.50倍、ウッズには5.50倍のオッズとなっているのとは対照的だ。このオッズの場合は、オッズの数字が低ければ低いほど「予選落ち」の可能性が高いと見られているということなのだ。

ウッズの話に戻そう。ブックメーカー「ウィリアムヒル」は、ウッズについてのスペシャルオッズ「#YourOdds」を発表。ウッズが初日から最終日まで首位を譲らず優勝する「Wire to Wire」は61.00倍、「4日間それぞれで少なくとも1度はイーグルを出す」および「ホールインワンを出す」がそれぞれ101.00倍のオッズとなっている。また、初日（第1ラウンド）での成績の予想もオッズ対象となっており、パー72のコースで「70以下」に2.00倍、「69以下」が2.62倍と、2～3アンダーが初日のウッズの成績であるという見方が強いようだ。

さあ、いよいよマスターズが始まる。日本ではTBS系列で初日から連日で8時間以上の生中継を断行するなど、これまで以上に注目度の高い大会となりそうだ。タイガー・ウッズと松山英樹がその話題の中心となるのは間違いない。