今年のロンドンは例年よりも熱い戦いが繰り広げられそうだ。フルマラソンで2時間切りに最も近い男エリウド・キプチョゲに、五輪の金メダルコレクターであるモハメド・ファラーがロンドンマラソンで挑戦する。
ロンドンマラソン2018が現地22日午前9時(日本時間午後5時)からグリーニッジパークをスタート、42.195キロ先にあるウェストミンスターブリッジのゴールを目指す。
キプチョゲやファラーに加えて、今年は5000㍍&1万㍍の世界記録保持者のケネニサ・ベケレも参戦を決めるなど優勝争いも例年になく激化しそうだ。
まずはキプチョゲだ。キプチョゲは元はトラックの選手だったが、2012年からロードに転向。そして、2016年リオ五輪の男子マラソンでの金メダルを獲得を含め現在マラソン7連勝中と圧倒的な強さを見せている。2016年にはマラソン歴代2位となつ2時間3分3秒の記録をマークするなど今最もマラソンに強い選手といっていいだろう。昨年の5月にはイタリアでスポーツメーカーNIKEが企画した「ブレーキング2」に挑戦し、非公認ながら2時間00秒25秒の記録を出して世界を驚かせた。
このキプチョゲに挑戦状を叩きつけたのがファラーだ。ファラーといえば、2012年ロンドン五輪および2016年リオ五輪の5000㍍&1万㍍すべてで金メダルを獲得したトラックのゴールドコレクターだ。トラックでは圧倒的な強さを見せたファラーが今度はロードに本格参戦を決めた。フルマラソンでのベスト記録は2時間8分21秒(2014年)と決して良い記録とはいえないが、今回はマラソンを走るためにトレーニングを積んできていることから、個人記録の大幅な更新にも期待がかかる。
ブックメーカーも今回のロンドンマラソン2018に注目している。日本語にも対応している「NetBet」が優勝オッズを発表し、キプチョゲに1.52倍の最有力オッズを弾き出した。そして今回注目を集めるファラーには世界歴代7位の2時間3分46秒の自己ベストを持つグェ・アドラと並んで15.00倍のオッズがついた。マラソンで8連勝を狙うキプチョゲにスポーツベッターのお金も集まっているようだが、本格的なマラソン初参戦となるファラーへの期待も高く、それがオッズという評価に表れている。
優勝2番手には、ベケレが6.50倍とキプチョゲの対抗としての評価がなされた。3番手には日本のDeNAに所属しているベダン・カロキで10.00倍、4番手には昨年のロンドンマラソンを制したダニエル・ワンジルで12.00倍と続いている。いずれも世界トップクラスのマラソンランナーが名を連ね、世界記録である2時間2分57秒に迫る好記録が期待できそうだ。