テニスのグランドスラム第3戦「ウィンブルドン2019」は、6日までに前半戦を終えた。本日七夕は”ミドルサンデー”で休養日に当てられ、試合は行われない。2年連続4度目のベスト16入りを果たしている世界ランク7位の錦織圭の8日から行われる後半戦の戦いを展望する。

第8シードの錦織は、3回戦まで戦い終えて、いずれも3－0のストレート勝ちで16強にコマを進めた。初戦は、世界ランク113位チアゴ・モンテイロ（ブラジル）に、2回戦は同55位キャメロン・ノーリー（イギリス）に、そして6日に行われた3回戦ではスティーブ・ジョンソン（アメリカ）に6－3、6－4、6－2で錦織は快勝した。そして、この試合での勝利が錦織にとってツアー本戦通算400勝のメモリアルとなった。

”七夕休暇”を終えると、8日に錦織は早速4回戦が日本時間午後9時30分以降から行われ、世界ランク58位のミハイル・ククシュキン（カザフスタン）と対戦する。ブックメーカー「ウィリアムヒル」はウィンブルドン2019男子シングルス4回戦のオッズを発表し、錦織勝利が1.10倍に対してククシュキン勝利が7.00倍と錦織が圧倒的有利との見立てとなっている。

錦織が順当に勝ち上がれば、準々決勝ではいよいよ第2シードのロジャー・フェデラー（スイス）との対戦が予想される。フェデラーの4回戦のオッズを見ると、フェデラー勝利が1.11倍に対して世界ランク20位のマテオ・ベレッティニ（イタリア）勝利が6.50倍となっており、フェデラー勝利が濃厚だ。

錦織が2014年の全米オープン以来となるグランドスラム大会決勝進出を果たす上で、フェデラーとの準々決勝が大きな山となることは間違いない。「ウィリアムヒル」が発表したクォーターベッティング（ベスト４進出を果たすのはどのプレイヤーか？）によると、錦織の山である第4クォーターを勝ち抜く最有力にはフェデラーが1.30倍、錦織は2番手の5.50倍となっている。錦織がウィンブルドンで初のベスト4進出を果たすには、これまでの対戦成績で3勝7敗と負け越しているフェデラーの壁をふち破らなければならない。

第1クォーターの山は、第1シードのノバク・ジョコビッチ（セルビア）が1.12倍で4強入りを果たしてくるだろう。しかし、第2クォーターはミロシュ・ラオニッチ（カナダ）が1.83倍、ロベルト・バウティスタ・アグート（スペイン）が2.75倍を競っており、また第3クォーターもラファエル・ナダル（スペイン）が1.25倍ながらもサム・クエリーが4.50倍となっており、”当確”を押す事は出来ない状況だ。

最後に、錦織が2度目となるグランドスラム大会で決勝進出を果たせるか？についてだが、「ウィリアムヒル」の決勝進出オッズによると、錦織は6番手タイの17.00倍となっている。開幕前にブックメーカーが発表した錦織の優勝オッズがよもやの101.00倍であったことを考えると、3回戦までの錦織の戦いがで評価が高まっているという見方が妥当ではなかろうか。

これまでグランドスラム大会で悲願の初優勝を期待される中で錦織は、この3回戦までにフルセットまでもつれる試合を経験して、疲労がピークに来たところでビッグネームとの対戦となって敗れるパターンが多く見られた。しかし、今回は3回戦まですべてストレート勝ちで錦織自身も試合後の記者会見で「体は今のところ大丈夫です。いい試合も続いてます」と話すなど、体力的な部分についても充実している大会となっている。

錦織のグランドスラム大会初優勝が今回のウィンブルドンの地になる可能性は十分にある。