男子テニスの今シーズンの総決算「ATPワールドツアーファイナルズ2017」が12日、イギリスはロンドンにあるO2アリーナで開幕する。それに先立ち、男子の世界トップ8選手の出場者、およびグループリーグの組み合わせが9日に決定した。
最新の世界ランキングで首位に立つラファエル・ナダルはピート・サンプラス・グループに、同2位で今季わずか4敗のロジャー・フェデラーはボリス・ベッカー・グループにそれぞれ入った。12日からは2つのグループでラウンドロビンによる総当たり戦を行い、各グループ上位2選手が決勝トーナメントに進出する。
ATPワールドツアーファイナルズ2017組み合わせ
【ボリス・ベッカー・グループ】
・ロジャー・フェデラー(2位)
・アレクサンダー・ズベレフ(3位)
・マリン・チリッチ(5位)
・ジャック・ソック(9位)
【ピート・サンプラス・グループ】
・ラファエル・ナダル(1位)
・ドミニク・ティエム(4位)
・グリゴール・ディミトロフ(6位)
・ダビド・ゴフィン(8位)
※(カッコ)内は世界ランキング
ATPワールドツアーファイナルズ2017の優勝オッズは!?
今シーズンのATPワールドツアーを盛り上げたのは、ナダルとフェデラーの二人だ。
両者には共通点も多く、例えば今シーズンのグランドスラムではナダルが2勝(全仏と全米)、フェデラーが2勝(全豪とウィンブルドン)と仲良く分け合っている。また、両者には”かつての”という言葉が近年は付きまとい、もうピークを過ぎたかつての英雄扱いをされていた。
その両者がATPツアーファイナルズで、しかも世界ランクもナダルが1位、フェデラーが2位で激突するというのは、世界中のテニスファンの大きな注目になるのは間違いない。
現地イギリスのブックメーカーである「ウィリアムヒル」はATPワールドツアーファイナルズ2017の優勝オッズを発表し、優勝候補の筆頭にはフェデラー(1.61倍)の名前を挙げている。
そして、2番手には現在世界ランク1位のナダルが4.50倍となっている。この2強に割って入りたいのが世界ランク3位の20歳アレクサンダー・ズベレフと今年の全豪オープンで4強入りを果たしているグリゴール・ディミトロフがそれぞれ9.00倍、そのあとに2014年の全米オープンチャンピオンのマリン・チリッチが15.00倍のオッズで続いている。
スポーツブックの優勝オッズではフェデラーが優勢との見立てとなっているのに驚きもあるかもしれない。おそらく、フェデラーの方が今回試合が行われるO2アリーナが室内ハードコートであり、そのサーフェースに強いということが考えられる。
先月に行われたATP500「スイス・インドア」でも決勝でデル・ポトロを破って8回目の優勝を果たしている。一方、ナダルは”赤土の帝王”との異名を持つとおり、全仏オープンなどのクレーコートを最も得意としており、ハードコートではフェデラーよりも分が悪いといわざるを得ない。
また、2017年シーズンの両者の直接対決の成績を見てみると、驚くことにフェデラーの4勝0敗となっておりナダルに対して勝っているということもフェデラー優勢のオッズに影響を与えていると考えられる。
今年の全豪オープン決勝で顔を合わせた両者は、フルセットまでもつれた大接戦をフェデラーが制した。それからマスターズ1000大会であるインディアンウェルズ、マイアミ、そして上海マスターズにおいてもいずれもフェデラーがストレート勝ちを収めている。ナダルがフェデラーに勝利したのは2014年の全豪オープン準決勝までさかのぼらなければならない。
これらのことからフェデラーが今回のファイナルズの優勝争いのトップを行き、ナダルが対抗という見立てが成立する。
しかし、ともに30歳を過ぎた両者には体力面での心配も付きまとう。実際、31歳のナダルはパリ・マスターズの準々決勝を膝のケガを理由に棄権している。この辺りを不安視する世界中のスポーツベッターがナダルよりもフェデラーを支持し、賭けが集まっていることもオッズに反映されていることだろう。
そこで第3極として挙げたいのがアレクサンダー・ズベレフだ。20歳のドイツの新星はマスターズ1000大会での2回の優勝を含めツアー6勝、今シーズンの通算成績は53勝19敗と大飛躍を見せた。さらに、今年のロジャーズ・カップの決勝ではフェデラー6-3、6-4のストレートで破るなどATPワールドツアーファイナルズで優勝するだけの勢いと力を持ち合わせている。
フェデラーとナダルの2強の争いに、20歳のズベレフが優勝争いに絡んでくれば「テニス界の英雄対テニス界の新星」という世代を超えた戦いとなり、よりエキサイトな試合となるであろう。
その戦いの序章が12日のラウンドロビンからスタートする。ATPワールドツアーファイナルズ2017開幕戦のオッズを「ウィリアムヒル」が以下のようにオッズを発表。
日本時間の午後11時と午前5時にそれぞれ試合が行われる。