海外転戦中のディアドラが再び世界競馬を席巻するのか？

凱旋門賞の重要な前哨戦にしてアイルランドの中距離王決定戦「愛チャンピオンステークス2019」（G1、2000㍍・芝）が14日（日本時間15日午前0時15分）、アイルランドのレパーズタウン競馬場で行われる。前走のイギリスのグッドウッド競馬場で行われた「ナッソーステークス2019」で見事に勝利したディアドラが、海外G1レース連勝に挑戦する。

ディアドラは今年3月に行われたドバイターフ（G1）で4着となったことを足場にして、4月は香港のシャンティイ競馬場で行われたクイーンエリザベス2世カップ（G1）で6着とアジアで連戦。そして、6月には欧州に渡ってプリンスオブウェールズS（G1）でも6着となって迎えた8月のナッソーSにおいて、7番人気ながらもオイシン・マーフィー騎手との初コンビで見事に海外レース初制覇を達成した。

連勝に期待が集まる中、イギリスの老舗ブックメーカー「ウィリアムヒル」が愛チャンピオンS2019のオッズを発表し、ディアドラは5番手となる11.0倍と高評価を受けた。実際のところ、前走のナッソーSでのブックメーカーオッズは10番手の17.0倍から見事に下馬評を覆して勝ったことを考えると、ディアドラが欧州特有の芝コースに適応できているという見方もできる。

しかし、今回の愛チャンピオンSはナッソーSよりもワンランク上の強豪馬が出走を予定しており、前回通りにはうまくいかない可能性もあるだろう。

その筆頭が、「ウィリアムヒル」発表のオッズで1番人気に推されているマジカルだろう。前走は凱旋門賞連覇を達成しているエネイブルに挑戦するために、あえてヨークシャーオークス（G1）へ出走。3馬身差を付けられてエネイブルの後塵を拝す形となったが、3着馬には10馬身以上の差を付けていることを考えると、マジカルの強さにも納得するところだ。

マジカルは今年に入って6戦3勝、2着3回と脅威の連帯率100％を誇っているものの、G1レースでは直近3レースでいずれも2着。そろそろシルバーコレクターからの脱却を図り、10月の凱旋門賞への弾みをつけたいところでしょう。

このマジカル以外にも、2番人気（4.0倍）に推されているヘッドマンは、フランスでの前走「ギョームドルナーノ賞」（G2）にて勝利して3連勝と勢いに乗っているところで同レースへの参戦を決めた。また、4番人気の6.5倍オッズが付いているマッドムーンは、今年の英ダービー（G1）において2着入線、その後のアイルランドダービーでも4着とクラシックレースでその実力を見せつけている。

ディアドラとコンビを組むマーフィー騎手は、10日の追い切り後にインタビューに答え、「ディアドラはとてもいい状態だし、ここに滞在してリラックスしていて精神的にも落ち着いている。レースへの準備は整った。（ナッソーＳで）G1も勝ったし、想像以上のパフォーマンスを見せてくれた。今回も絶対の自信を持って臨めます」とコメント。G1レース連勝への準備は着々と進んでいる。