世界陸上2019:サニブラウン・桐生・小池の”9秒台トリオ”で男子4×100mで金メダル獲得だ!
世界陸上2019が中東の地・カタールのドーハで27日に開幕する。日本勢のメダルラッシュに期待が膨らむのだが、最も注目を集めそうなのが男子100㍍および男子4×100㍍リレーではないだろうか。
今回の日本スプリント陣は過去最強の布陣となっている。100㍍には9秒97の日本記録を持つサニブラウン・ハキーム、日本人として始めて10秒の壁を突破して9秒98をマークした桐生祥秀、そして今シーズン頭角を現して桐生と肩を並べた小池祐貴の”9秒台トリオ”が名を連ねた。この3選手が6月に福岡で行われた日本選手権でサニブラウン、小池、桐生の順で表彰台に立った。
日本勢最強スプリンタートリオに加えて、男子4×100㍍リレーでは10秒07の記録を持つ多田修平、10秒08を持つケンブリッジ飛鳥、そして200㍍を得意とする白石黄良々がメンバーに加わった。2017年の前回大会で同種目銅メダルを獲得している多田、2016年リオ五輪で銀メダルを取ったケンブリッジが控えに回っていることを考えると、いかに日本のスプリント陣が強いかがわかるだろう。
で、日本が今回の世界陸上ドーハで金メダルが獲得できるのか?
イギリスの老舗ブックメーカー「ウィリアムヒル」が世界陸上2019の種目別金メダルオッズを発表し、男子4×100㍍リレーにおいては日本は5番手となる26.0倍オッズとなっている。我々が思っているよりもずいぶんと低い評価であることに違和感すら感じる。
金メダル最有力には陸上王国アメリカで1.22倍、2番手にはグレートブリテン(イギリス)で5.0倍、3番手にはウサイン・ボルトが抜けたジャマイカで7.0倍と続いた。4番手のカナダ(17.0倍)までが日本よりも評価が高く、日本はメダル獲得するためにこの上位2カ国を少なくとも食わなければならない。
世界ランクで日本の男子リレーは2位につけているのにも関わらず、ブックメーカーでは5番手評価に”甘んじている”日本。次に、男子100㍍の金メダルオッズ(ブックメーカー「ウィリアムヒル」発表)を見ると、謎が解けてくるのではないかと思われる。
男子100㍍の金メダル最有力には、9秒79の自己ベストを持つアメリカのクリスチャン・コールマンで1.73倍のオッズとなっている。2番手には同じくアメリカのジャスティン・ガトリンで5.0倍、3番手には9秒91のタイムを持つカナダのアンドレ・ドグラスで9.0倍と続いている。ジャマイカのヨハン・ブレークは4番手15.0倍となっており、個人種目で強い選手を持つ国がリレーでも同様に上位に評価されることがうかがえる。
日本勢は、桐生と小池が67.0倍で並んで14番手、そして日本記録保持者のサニブラウンはさらに下で16番手タイの81.0倍オッズのジャッジが下っている。日本スプリント陣が強くなってきたとはいえ、それはあくまで日本国内の視点から見ての評価であり、世界的視点に立てば日本はまだまだということであろうか。
しかし、リレー競技は単純に走力で勝敗が決まるものではない。日本がリオ五輪や世界陸上2017で前評判を覆してメダルを獲得できたのはバトン技術が他国を圧倒しているからに他ならない。
今回はバトン技術に走力も高まっていることを考えると、日本スプリント陣悲願の金メダルの可能性も十分にあるのではないか。ブックメーカーのオッズが”絶対的な評価”ではないことを頭に入れて、世界陸上2019でスポーツベッティングを楽しむことをお勧めしたい。