今年5月にスポーツベッティング解禁に踏み切ったアメリカでは、ギャンブル業者とプロスポーツチームの連携が進んでいる。
MLBがカジノリゾートの大手「MGMリゾーツ」とオフィシャルゲーミングパートナーを締結したことを現地11月27日に発表した。契約は複数年となっており、MLBとしては初めてカジノなどを扱うギャンブル産業との公式契約締結となる。
これまでアメリカでは、スポーツ大国であったにもかかわらずブックメーカーなどのいわゆる”スポーツベッティング”はラスベガスのあるネバダ州など1部の地域を除いて禁止されていた。しかし、今年5月にアメリカ連邦最は「スポーツベッティングの合法化については各州の判断にゆだねる」とした判決を下し、スポーツベッティング解禁への道が開かれた。
世界的にカジノを展開するMGMはこのスポーツベッティング合法化に対してすばやい動きを見せた。今年8月にはスポーツベッティング合法化の立役者の一人であるアダム・シルバー氏がコミッショナーをつとめるNBAとオフィシャルゲーミングパートナーシップを締結。また、アイスホッケーのNHLとも同様のパートナーシップを結ぶことに成功。アメリカのプロスポーツ界に新たな風を吹き込んだ。
MGMは今回のMLBとのパートナーシップ締結によって、MLBのロゴをPRなどに使用できたり、テレビ放送でのデジタル広告などにMGMの広告を掲載することが出来る権利を有した。
MLBは今シーズン、観客動員数が昨シーズンよりも4%減少。さらには2003年シーズン以来となる観客動員数7000万人を下回るなど人気回復が急務となっている。その最中にMGMとのゲーミングパートナーシップ締結でファンに対してよりよいサービス、エンターテイメントを提供することが可能となる。
ブックメーカーは早くもMLBファンたちにスポーツベッティングのオッズを提供している。「NetBet」は来シーズン(2019年シーズン)のワールドシリーズ優勝オッズを発表し、レッドソックスに6.50倍の最有力オッズをつけた。また2番手にはアストロズで7.00倍、3番手には田中将大率いるヤンキースが7.50倍で続いている。
アメリカでもスポーツベッティングがより一層盛んになれば、日本のMLBファンたちもインターネットを通じてスポーツベッティングにより参加するようになるであろう。スポーツベッティングが野球をさらに面白く、エキサイトなものにすることは間違いないだろう。