南アフリカを撃破して世界を震撼させたラグビー日本代表が、4年の時を経て再び静岡の地で歴史的大金星を挙げてみせた。
ラグビーワールドカップ2019（ラグビーW杯2019）のプールAの第2戦「日本対アイルランド」が静岡スタジアムで28日に行われ、世界ランク9位の日本が同2位のアイルランドを19－12で撃破し、開幕戦に続いて連勝とした。日本は過去10戦アイルランドに勝利は出来なかったが、11回目の対戦となった今回の大一番で初勝利をもぎ取る快挙を達成した。
戦前の予想では、ブックメーカー発表のマッチオッズを総合すると、日本勝利は9倍～10倍に対してアイルランド勝利が1.07倍前後と日本の勝利は針に穴を通すほどの可能性であると思われていた。
しかし、9－12とペナルティゴールで得点を重ねて食らい付いた日本は、後半19分に途中出場の快速ウィング福岡堅樹のトライが決まって16－12と逆転に成功すると、司令塔の田村優が後半32分にこの試合4つ目のペナルティゴールを決めて19－12。「選手たちは勇敢に戦い、アイルランドの厳しい攻撃をしのいだ」とジェイミー・ジョセフHCが会見で語ったようにアイルランドの猛攻をしのいで、プールAトップに立つ2勝目（勝ち点9）とした。
日本の歴史的快挙に世界のブックメーカーも大慌て。「ウィリアムヒル」はプールAの首位オッズを開幕前には2ケタオッズの3番手としていた日本をアイルランドの1.73倍に肉薄する2番手の2.1倍と大幅修正を余儀なくされた。
そして、決勝トーナメント進出（準々決勝進出）オッズにおいては、日本はアイルランドやニュージーランドの1.0倍、オーストラリアの1.01倍、ウェールズと南アフリカの1.02倍、イングランドの1.05倍、そしてフランスの1.14倍に次いで8番手の1.5倍オッズとこちらも大きく評価を上げた。各プール上位2チームが決勝トーナメントに進出できることを考えると、日本はブックメーカーのオッズ上では世界のトップ8に入ったとその強さを証明されていると言えるだろう。
何もブックメーカーの評価だけではない。日本対アイルランド戦後に世界ランキングが更新され、日本は史上初となる8位にランクアップしたのだ。日本に敗れたアイルランドは2位から4位と2ランクダウンと優勝候補最有力のアイルランドを撃破した余波はこのようなところにも爪あとを残している。
そして、日本の初の決勝トーナメント進出が見えてきたところで、日本国内では早くも「初優勝もあるのでは？」をいう期待も膨らんでいる。ブックメーカー「ウィリアムヒル」がラグビーW杯2019の優勝オッズを更新し、日本は開幕前の10番手151.0倍から8番手の67.0倍と大きく評価を上げた。プールAに注目すると、アイルランドが5番手の12.0倍と依然として最も優勝に近いと目されているが、日本はそのアイルランドに勝利したのだ。日本が第3戦で対戦するサモアは501.0倍、そして最終戦で対戦するスコットランドは126.0倍となっており、日本の方が「実力は上」とのジャッジが下されているのだ。
決勝トーナメント進出のボーダーラインとなる3勝にあと1勝と迫った日本は、10月5日午後7時30分から豊田スタジアムで行われるサモア戦に挑む。ブックメーカーの注目のオッズは下記を参照されたい。