2年に1度、ゴルフという紳士のスポーツでアメリカとヨーロッパとの間で大きな戦が行われる―。

ゴルフの覇権をかけた米国対欧州の対抗戦「ライダーカップ2018」が28日から3日間、フランスはパリにあるル・ゴルフナショナルで開催される。米国選抜には、PGAツアープレーオフ最終戦「ツアー選手権」で実に5年ぶりとなる優勝を果たしたタイガー・ウッズ、欧州選抜にはPGAツアーで初の年間王者となったジャスティン・ローズなど世界のトップクラスの選手たちが華の都パリで熱い戦いを繰り広げる。

【ライダーカップ2018出場者一覧】

＜欧州代表＞
フランセスコ・モリナリ、ジャスティン・ローズ、ティレル・ハットン、トミー・フリートウッド、ローリー・マキロイ、ジョン・ラーム、トービヨン・オルセン、アレクサンダー・ノレン、イアン・ポルター、ポール・ケイシー、ヘンリック・ステンソン、セルヒオ・ガルシア

＜米国代表＞
ブルックス・ケプカ、ダスティン・ジョンソン、ジャスティン・トーマス、パトリック・リード、ジョーダン・スピース、リッキー・ファウラー、バッバ・ワトソン、ウェブ・シンプソン、タイガー・ウッズ、フィル・ミケルソン、ブライソン・デシャンボー、トニー・フィナウ

ゴルフの母国・イギリスの老舗ブックメーカー「ウィリアムヒル」がライダーカップ2018の優勝オッズを発表し、米国勝利が1.80倍に対して欧州勝利が2.25倍、引き分けが13.00倍となっており、米国が優勢との見立てを示している。

1927年にアメリカとイギリスの対抗戦として始まったライダーカップは、今年で44回目の開催。これまでの対戦成績はアメリカが27勝、ヨーロッパが14勝、そして2度の引き分けとなっている。前回大会（2016年）はアメリカが17－11でヨーロッパを下している。

何としてもリベンジを果たしたいヨーロッパは、アメリカのPGAツアーで初の年間王者に輝いたジャスティン・ローズがチームを引っ張る。ツアー選手権では通算6アンダーで4位タイにまとめて、フェデックスポイントで首位を走っていたブライソン・デシャンボーを逆転して、38歳にして初の歓喜に酔いしれた。

ブックメーカー「ウィリアムヒル」が発表したライダーカップでヨーロッパ勢でトップ成績が誰かを当てるオッズ（ヨーロッパトッププレイヤー）でも、ローズが最有力の5.00倍のオッズと評価は高い。さらには、2番手の5.50倍のオッズが付いているローリー・マキロイは今季後半戦から復調の兆しを見せて、プレーオフ第3戦「BMW選手権」では5位、最終戦のツアー選手権では7位といずれもトップ10入りを果たして意地を見せた。

迎え撃つアメリカは、何といってもタイガー・ウッズの1876日ぶりとなるツアー優勝で完全復活を果たしたことが大きい。メジャー通算14勝、そして節目となるツアー80勝目を先日のツアー選手権で果たした42歳への期待は大きい。ツアー選手権での優勝で自信を取り戻したウッズの活躍がアメリカ連覇への一つのポイントになってくるだろう。

ブックメーカー「ウィリアムヒル」発表のアメリカ勢でトップ成績が誰かを当てるオッズ（アメリカトッププレイヤー）では、ウッズは長らく世界ランクの首位を走っていたダスティン・ジョンソン（6.00倍）、今季ツアー3勝をマークして賞金王に輝いたジャスティン・トーマス（7.00倍）らに続いて、ジョーダン・スピースや今年のマスターズでメジャー初制覇を成し遂げたパトリック・リードら若手実力者と並んで8.00倍のオッズがついた。

また、ウッズの盟友であるフィル・ミケルソンにも注目だ。世界ランク25位のミケルソンはオッズの評価こそ21.00倍と低くなっているが、ライダーカップは何と12回連続での出場と経験値で他選手を大きく凌駕している。

また、団体戦でペアを組む可能性もあるウッズとは、11月23日にラスベガスのシャドー・クリークGCで賞金900万ドル（約9億9600万円）をかけて戦うマッチプレー”10億円マッチ”が開催されることが決まっている。ミケルソンは「タイガーが試合に戻ってきて、これだけの高いレベルでプレーをし、ファンと同じように関心を持って見ている」とコメント。まずは、ウッズとともにアメリカを優勝に導いて、11月の一騎打ちに挑みたいところだろう。

ヨーロッパとアメリカの対抗戦「ライダーカップ」は現地28日から3日間で行われ、両チーム各12選手がシングルかダブルスのマッチプレーで争う。そして、28試合を終えた段階で14 1/2か、それ以上のスコアを獲得したチームが優勝の栄冠を手にする。