今年もいよいよこの季節がやってきた。

ノーベル賞2019が7日からノーベル財団より順次発表される。10月7日の医学生理学賞を皮切りに、8日に物理学賞、9日に化学賞、10日に文学賞、11日に平和賞、14日に経済学賞がそれぞれ発表されることになっている。

【ノーベル賞2019発表日時（日本時間）】
・生理学医学賞：10/7（月）11:30（日本時間 18:30頃）
・物理学賞：10/8（火）11:45（日本時間 18:45頃）
・化学賞：10/9（水）11:45（日本時間 18:45頃）
・文学賞：10/10（木）13:00（日本時間 20:00頃）
※2018年と2019年の2年分発表
・平和賞 10/11（金）11:00（日本時間 18:00頃）
・経済学賞10/14（月）11:45（日本時間 18:45頃）
・授賞式12/10（火）

7日からの科学系の賞では多くの日本人の名前が各紙の受賞予想に名を連ねているが、今回注目したいのが11日に発表されるノーベル平和賞だ。日本人も過去に1974年に佐藤栄作が唯一で受賞している。

昨年は、アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮のキム・ジョンウンが同時受賞するのではないかと大きな注目を集めたが、結局はコンゴの人権活動家デニス・ムクウェゲとイラクの人権活動家ナーディーヤ・ムラードが受賞した。

ノーベル文学賞が昨年の選考主体スウェーデン・アカデミーのスキャンダルで、今年は昨年とあわせて2年分の受賞者が発表されることもあって、欧州の主要ブックメーカーはオッズ発表をまだ行っていない（7日現在）。唯一、ブックメーカーがオッズを発表しているのがノーベル平和賞だ。

イギリスの老舗ブックメーカー「ウィリアムヒル」が発表したノーベル平和賞2019オッズによると、受賞最有力にはスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリでオッズは1.61倍となっている。まだ16歳の少女だ。

トゥーンベリへの世界中の注目が集まったのは9月23日にニューヨークで行われた国連の気候行動サミットでのスピーチだった。「あなたたちが話しているのは、お金のことと経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。恥ずかしくないんでしょうか！」。時に涙を浮かべながら約5分間のスピーチで地球温暖化解決に向けての具体的行動をすることを世界に訴えたのはとても印象的だった。

もし、今回トゥーンベリがノーベル平和賞受賞となれば、2014年に17歳で受賞したマララ・ユスフザイの最年少受賞記録を更新することになる。そういう意味でも彼女の受賞するかどうかは注目だ。

ブックメーカー「ウィリアムヒル」が発表したオッズで2番手に名前が挙がっているのが、エチオピアの政治家であるアビー・アハメド首相で3.75倍で続いている。

アハメド首相は2018年6月、エリトリアのイサイアス・アフェウェルキ大統領がエリトリアの首都アスマラで会談し、数十年にも及び紛争と対立の続いたエリトリアとの和平合意を成立させ、国交正常化を実現させた手腕が評価されている。

また今年5月には、アハメド首相は首都アディスアベバの緑化などを行うプロジェクトの資金を集める夕食会を開催。参加費は1人500万ブル（約1,900万円）と高額ながらも、国内外から200人以上が参加したことは大きな話題を呼んだ。

ブックメーカーの予想で3番手に挙がっているのは、ブラジル先住民のリーダーであり環境保護主義者のラオーニ・メトゥティレで8.0倍、4番手にはニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が9.0倍と続いた。

凱旋門賞のエネイブルかのような絶対的本命とされるトゥーンベリが、その予想と期待通りに受賞するのか？それとも、意外な人物の受賞で世界が驚くことになるのか？

ドナルド・トランプ大統領とその座を争ったメアリー・クリントンが並んで34.0倍オッズに、北朝鮮の”ロケットマン”キム・ジョンウンには101.0倍のオッズがついている。