政情不安の残る香港で8日にそれを払拭するかのような世界的スポーツイベントが行われる。香港国際競走2019がシャティン競馬場で8日に行われ、日本からは総勢9頭が4つのビッグレースに発走する。

香港マイル（海外G1、1600㍍・芝）にはインディチャンプ、ペルシアンナイト、アドマイヤマーズ、そしてノームコアの最多4頭、香港ヴァーズ（海外G1、2400㍍・芝）にはグローリーヴェイズ、ディアドラ、そしてラッキーライラックの3頭、香港スプリント（海外G1、1200㍍・芝）にはダノンスマッシュが、香港カップ（海外G1、2000㍍・芝）にはウインブライトが出走する。

日本勢最多となる4頭がエントリーした「香港マイル2019」は、この10年のデータを見ると10回のうち9回を香港勢が勝っている。残りの1勝は2015年のレースで日本馬モーリスが勝利しているが、やはりマイル王国・香港の独壇場が続いているレースだ。

日本語にも対応したブックメーカー「ウィリアムヒル」が香港マイル2019のオッズを発表し、日本勢筆頭には全体2番手となるインディチャンプに3.25倍のオッズが付いた。今年の安田記念とマイルチャンピオンシップで2冠を達成して、満を持して挑むインディチャンプに日本勢2勝目の大きな期待が集まる。

日本勢2番手、全体5番手には今年のヴィクトリアマイルを制したノームコアで11.00倍、続いて2017年のマイルチャンピオンシップ勝ち馬のペルシアンナイトで13.00倍、昨年の朝日杯FSと今年のNHKマイルカップとマイルG1を2勝しているアドマイヤマーズが15.00倍となった。

迎え撃つ香港勢では、1番人気のビューティージェネレーション（3.00倍）が今回のボスキャラとなるだろう。昨年4月から今年10月まではマイル戦のG1レース5つを含めて破竹の10連勝とその強さを如何なく発揮したビューティージェネレーションだが、直近の2戦（ともにG2レース）は3着となっており、調子が落ち目にある可能性もあり、香港マイル3連覇に黄色信号が灯る。

今回で26回目を迎える「香港ヴァーズ2019」は、日本勢が過去2回の栄誉に預かっている。2001年のステイゴールドと2016年のサトノクラウンだ。令和最初の香港ヴァーズで日本勢3勝目が期待される。

ブックメーカー「ウィリアムヒル」が発表した香港ヴァーズ2019のオッズによれば、昨年の香港ヴァーズ勝ち馬エグザルタントで2.37倍と大本命オッズが付いている。今年5月に同競馬場で行われた香港チャンピオンズ&チャターカップ（G1、2400㍍・芝）も勝利しており、地元での2400㍍では大きな自信を持って連覇に挑んでくるだろう。

対する日本勢は、2番人気にディアドラが7.00倍であとを追う。今年3月のドバイターフで4着を皮切りに海外G1レースを6レース戦ったディアドラは、8月のナッソーSでは日本勢とした初制覇を果たすなど、大きな自信を実績を積んで今回の香港でのレースでG1レース2勝目を狙う。

3番人気にはラッキーライラックが8.00倍で続いている。ラッキーライラックといえば、今年のエリザベス女王杯でスミヨン騎手とのコンビで見事に2017年の阪神JF以来となるG1レース2勝目を挙げて復活を印象付けた。再びスミヨン騎手とのコンビで挑む香港ヴァーズで海外G1レース初勝利を虎視眈々と狙っている。